全国版コラム 大皿こぼればなし

水餃子

宴会は、店より自宅かな。家飲みは、いろんな意味で今やおおモテだ。経済的であり一人一品持ち寄りで、卓上は大賑わいになる。参加者の家の味が楽しめて最高だ。自分と言えば、「水餃子」が多い。中身のアンは予め用意する。現場で皮を包みながら、水餃子の生い立ちを眼前で披露する。ちょっとした食する前のライブ。笑顔と笑顔。一人作業の周りから出てくる「ヘルプします」の聲、ひとりふたり…ひとつふたつと顔立ちの違う水餃子が出来上がる。熱湯に泳がせ、熱でぎゅっと締まり透きとおった姿を大皿に盛りつけ完成。残ったアンはスープの団子としてこころの芯から温めてくれる。本当にこの一品は実に多芸だと思う。飲めや喰いやの中、笑い語り、スーと闇の中。空白というより真空状態に近い。意識が戻ると自宅の布団の上。いつものように反省いや猛省をする。いかんなあ。最後に一句。

願ひごと 包んで畳む 水餃子      宗介