news letter 「住まいと健康」を考える 東賢一

米国環境保護庁による学校における大気汚染物質対策ガイドブック

米国では、約17000の学校が主要幹線道路から0.1マイル(約160メートル)以内に立地しており、カリフォルニア州では40万人以上の児童生徒が自動車排ガスによる大気汚染の影響を受ける学校に通っています。米国では、大気浄化法で自動車排ガス対策を実施してきたのですが、大気汚染レベルの高い地域に立地している学校が未だに存在しています。

児童生徒は成人よりも大気汚染物質に対する感受性が高く、呼吸器系に対する影響を成人よりも受けやすいと考えられています。また、成人よりも日常の活動量が多く、体重当たりの呼吸量も多いと考えられています。実際に、喘息の有病率は、成人よりも児童生徒の方が高率となっています。特に、低所得者層や少数民族の児童生徒は喘息の有病率が高く、大気汚染レベルの高い地域に立地している住宅に居住し、そのような場所に立地している学校に通学している比率が高いことも問題視されています。

USEPAが公表したガイドブックでは、これらの状況を鑑み、学校における換気設備や空気浄化設備のチェック、立地やレイアウトに関する助言、アイドリング防止、バス通学の促進、防音壁や植生壁等による大気汚染の曝露防止対策などをとりまとめ、児童生徒の両親、学校の教職員、公衆衛生従事者などに向けて、このガイドブックで提供しています。ガイドブックは、以下のサイトから入手できます。

Best Practices for Reducing Near-Road Pollution Exposure at Schools
http://www.epa.gov/schools/best-practices-reducing-near-road-pollution-exposure-schools

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