みちくさ市2008年に東京メトロ・副都心線が開通し、雑司が谷駅の新設によってアクセスも便利になった東京・豊島区の鬼子母神界隈。それを機に、地域に根づいたイベントを開催したいという話が持ち上がりました。そこで、地元の鬼子母神通り商店睦会と、早稲田・目白・雑司ヶ谷で本にまつわる仕事をする有志グループ「わめぞ」 が組んでスタートさせたのが、古本を中心とした市『みちくさ市』です。
都電・荒川線の鬼子母神駅を挟むようにして続く商店街の道路沿い、定休日の店舗前やガレージなど、それぞれ決められた場所に店を開きます。参加者は、書店を運営されている方だけでなく一般の方も大歓迎。本好きの友人同士で蔵書を持ち寄った店からワンジャンルに特化したマニアックな店まで、毎回多彩なミニ本屋が集まります。

みちくさ市人気も定着し、今春からは2日間開催。「鬼子母神の商店街を2日間だけ古本街に!」のコンセプトのもと、5月は計40ブースほどが設けられ、古本を中心に、各種雑貨、産直野菜やパン屋なども出店されていました。
多くが、敷物上に箱やカバンを台座にして本を並べるスタイルなので、商店街道路沿いを歩きながら、気になった店の前で立ち止まり、ひょいとしゃがんで、気になる本を物色する……その風景はまさに寄り道、道草そのもの!市の名称もぴったりだなあと思いました。

みちくさ市私は何度も足を運んでいますが、いつも新たな本との出合いを楽しんでいます。以前には、食いしん坊には垂涎の内田百閒著・『御馳走帖』の初期本を手に入れることができました。また、普段はスルーしてしまいそうな本が気になって見ていると、「それなら入門編にはこんなのもありますよ」と教えてくれた店主さんと話が弾んだり、子どもの頃に大好きだった絵本との再会も果たしました。また、なじみの薄い出版社名でも、手にしてパラパラとめくってみると、思いのほか好みな本だったことは何度もありますし、大型書店では敷居が高いと思ってしまうジャンルも、財布にやさしい価格ならチャレンジをしてみようかなと思えます。

みちくさ市「読まず嫌いは損!」と思わせてくれるような、宝探し的感覚に溢れた「みちくさ市」。私にとっては、本への興味を再確認できるイチでもあります。今回の一目惚れ購入本は計6冊。この日ばかりは「蔵書も整理してないのに」なんて気持ちは置いておいて、「やっぱり本が好き!」を実感しつつ、満足感いっぱいな“みちくさ”をさせていただきました。


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  • 柴山ミカ

    プランナー、編集ライターとして広告や出版の現場で活動する傍ら、取材を通して出会った朝市に魅了され、あらゆるイチに出没する“イチめぐりすと”に。また、おいしいもん市(西荻窪)、おいしい週末ライオン市(浅草)など、食にまつわる市を企画運営するイチ・ディレクターとしても活動中。イチと同じくらい犬とキャンプとお酒と料理好き。

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    イチinfo

    鬼子母神通り みちくさ市

    開催予定
    第21回 7月15日(月・祝日)&27日(土)
    *15日は11:00から16:00まで(出店制の古本フリマは15日のみ)。
    *27日は14:00から18:00まで。盆踊りに併せての特別開催のため、運営団体によるミニ古本市&トークイベントを予定。
    会場
    雑司が谷・鬼子母神通り
    東京都豊島区雑司が谷2丁目・鬼子母神通り周辺
    アクセス
    都電荒川線・鬼子母神前停留所
    東京メトロ副都心線・雑司が谷駅1番出口または3番出口すぐ
    URL
    http://kmstreet.exblog.jp
     
    主催:鬼子母神通り商店睦会
    協賛:雑司が谷地域文化創造館
    運営: わめぞ

    カワウソと暮らす

    G・マクスウェル著、松永ふみ子訳、『カワウソと暮らす~スコットランドの入江にて』(冨山房百科文庫)。表紙の上品な書体と色やデザインに興味を引かれて手に取ると、中にはハーネスをつけたカワウソのモノクロ写真が!それは、遥か北の海辺でカワウソを伴侶として生活した筆者の愛に溢れた記録。動物と自然好きには興味津々!連れて帰ることにしました。すぐに読みたい気持ちもありますが、自然の話は自然の中で読むのが一番!これは夏のキャンプに連れていく1冊に決定です。それまでデスクの上に飾っておこうと思います。