如月 2019

厳しい残暑が少しおさまった昨年の9月、ボランティアをさせていただいている地域活動支援センターⅢ型という施設からアニマルセラピーを目的にバスツアーがあった。施設の利用者さん、職員、看護大学の学生、羊のプロフェッサーの方々と共にバスで三時間余り、遥か開ける日本海。能都町という処に在る日本海倶楽部という施設を訪問。雄雌別々の囲いの中からゆったりと我々に近づいてはソッポを向いてしまう羊たちに飼料をあげるやら、触れたりして友情を交わしたあとリールを着けて野路を歩けば、長閑(のどか)どころか群れようとして走り出す羊たちに振り回されながらオットット―、弾ける笑いでアニマルセラピーは大成功だったでしょう。

羊たちと遊ぶ前に羊毛を使って大きなマットや小物類なども創ってワイワイしていた元気だったころを思い描き、加工染色された羊毛の固まりを片手で握りもう一方の手で繊維を梳くように薄くちぎっては積み重ねると降り積もる新雪に似て、天からの滴を吸い込むようにきんかんきんかん、またきんかん。

花:きんかん、ヒペリカム、羊毛
器:東南アジア製 古いトレー

きんかん、ヒペリカム、羊毛

きんかん、ヒペリカム、羊毛