江分利満家の方かい 山口正介

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雨漏りが止まらない。
 何度も書いたが変奇館はH鋼を組み合わせ、発泡コンクリートのパネルを張り合わせて天井と壁をこしらえた。屋根はこのパネルの上に厚手の防水シートを敷いただけだ。
 これが新築当時から面白いように雨漏りした。天井や壁に沿ってジワジワと滲むのではなく、滝と見紛うばかり、盛大に室内に噴き出すのだった。
 これには父、瞳も驚いたようだ。
 さっそく、施工した会社に電話すると、すぐに職人さんが来て処置をしてくれる。
 見ていると大きなチューブ状の容器に入ったシリコンパテ(たぶん)を雨漏りしたところに挿入するのだった。もちろん建物の外側と内側だ。
 担当者は、また漏ったら連絡してください、いつでも言ってください、すぐに駆けつけます、と言い残して帰っていった。

 その後もいたるところが漏るのだった。
 施工業者に聞くと、雨漏りはなかなか止まらないという。雨量と風向きで、そのつど雨漏りの場所が違うという。
 また目に見えない隙間にたまった雨水が、つぎに雨が降った時や強い風で押し出されることもあるのだと教えてくれた。
 ありとあらゆる雨量、風向き、風速、およびその組み合わせを経過し、そのつど養生する。そうしてはじめて雨漏りは止まるというのだが・・・。
 確かに水を制するのは、難しい。それは大災害でなくても、少しばかりの水漏れでも大変なことからわかると思う。

 ある建築家にこのこと嘆いて相談したら、何も現代建築だから雨漏りするのではない、在来工法も雨漏りはするのだと言われた。
 ただし、在来工法は外側へと雨漏りするのだと。雨水は屋根でも壁でも、外側へ漏れるように施工されているらしい。だったら最初から、そうしてよ、と思うのは僕だけだろうか。屋根瓦を伝って雨樋にたまり、竪樋を通って雨水枡に集められ下水に流れる。
 変奇館も雨樋はあるのだが不思議なことだ。