曽根 康男
そね やすお
自然観察指導員、ネイチャーゲーム指導員、インタープリター、プロジェクト・ワイルドエデュケーターとして活動中。エコミュージアム、インタープリテーション、民俗学に興味あり。
梅雨の楽しみ・カタツムリとナメクジ
梅雨に入りました。
ナチュラリストにとって、雨の多いこの時期は野外に出られなくて残念・・・なんてことはまったくありませんのでご安心を(え? 誰も心配してないって?)。 雨が降っても自然観察はできます・・・というか、雨の日でなければ観察できないモノやコト、たくさんあるんです。
雨が降ると元気になる動物というとカエルやカタツムリが思い浮かびます。田植えの終わった水田から夜になると聞こえてくるトノサマガエルやアマガエルの合唱は風情があっていいものですし、梅雨の雨に打たれるアジサイの花と葉っぱの上のカタツムリなんて、絵や写真の題材としても人気がありますね。
生物分類上ごく近い仲間なのに、けっこう人気者のカタツムリに対してナメクジは不人気なのはなんででしょう。生態はほとんど同じで、背中に渦巻の殻を背負っているかいないかだけの違いなのにねぇ。
カタツムリもナメクジも、貝の仲間。貝類はその形態から二枚貝や巻貝などに分類され、住んでいる場所から海産貝類、淡水産貝類、陸産貝類などというふうに呼ばれます。海や淡水には二枚貝も巻貝も住んでいますが、陸上に住む貝は巻貝だけで、その代表がカタツムリ。で、貝殻がないほうが狭いところに潜り込めて生き残るのに有利だということに気づき、殻を体の中に取り込んでしまったのがナメクジ・・・というわけです。カタツムリが家出してナメクジになったんじゃ、ないからね。