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日本の住居は通路が少なく、広いスペースを襖や障子で分割していきます。廊下はあっても建物の外周を廻るように作られることが多かった。田畑を分割して、その境目に通路や水路を設けてきた町づくりと同様です。建物も上から見ると正方形に近い四角形が基本で、広さが足らなくなると新たな四角形を継ぎ足すか、離れ、別院という形で別の建物を造り、渡り廊下で繋ぐというのが一般的でした。

 

それに対して、欧米では通路に向ってドアが開くように部屋を配置されています。それゆえ通路にそって一列に部屋が配置されていくことになるのです。さらに部屋数が必要になると通路を分岐させ、また同じように部屋を並べていきます。ですから建物の形は細長い長方形を基本とし、それを組み合わせた形になっています。増築の際も同様に継ぎ足していくのです。こちらも街の成り立ちと似ています。

 

これって、街の成り立ちが家作りに影響しているのでしょうか? 人は経験から学んで思考していくものですから、もちろん街の成り立ちが家造りに意識の底では関係しているでしょう。ただ直接的に影響しているのは建築材料と工法だと思われます。運搬手段の限られた時代では、材料はその土地で容易に手に入るものを使うことになります。工法もその材料に最も適した方法になっていくのでしょう。

 

江戸時代以降の典型的和風建築の間取り図
江戸時代以降の典型的和風建築の間取り図

日本では木材を使った軸組工法が発達してきました。四隅に柱を立て、それを梁や桁で繋いでいき、その上に屋根を掛けます。使う材木も比較的真っ直ぐで長さのとれる、杉やケヤキが使われました。そうやって作られる建築は、まず外側が出来上がってから内部の造作に入ります。

 

 

 

洋館の間取り図。通路にドアが面している様子が見て取れる
洋館の間取り図。通路にドアが面している
様子が見て取れる

西洋では石積みの壁組工法から発達してきましたから一部屋ずつ作っていきます。レゴブロックを組み立てる感じです。2x4などのパネル組工法でも同様です。また、日本の軸組工法と似たティンバーフレームと呼ばれる木造住宅もありましたが、古くは近隣に自生する広葉樹の低木を利用していましたので材は湾曲した短いものでした。日本とは違って短いスパンで継ぎ足しながら作っていかざるをえなかったのです。

 

街の作りも、家の造りもこのように似通ったものになったのはその土地にあったやり方ということなのでしょう。そうして見ると、現代の和洋折衷住宅の形態は、イマイチ必然性が感じられないような気がするのです。

 

 

 

 

 

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