ようこそアンティーク・マーケットへ

6月の気持ちよく晴れた午後、サウス・ウェールズを移動中、運転に疲れてモーターウェイのサービスで一休み。お茶と言えば紅茶一辺倒だったイギリスでも、最近ではイタリア風のカフェやアメリカのハンバーガーやチキンのチェーン店が当たり前になっています。不気味に愛想のいい金髪のお姉さんからカプチーノとデニッシュを受け取ると、外の芝生に座り込みました。

 

パンを頬張りながらボーとしているとトイレに急ぐ人たちや用を済ませて車に戻っていく人たちが視界の中をひっきりなしに横切ります。こうしていると西洋人って脚長いなぁ〜と痛切に感じます。あまり白人コンプレックスを持たない希有な日本人といわれるボクでさえこの件だけは、引け目に感じてしまいます。

 

彼らは歩幅が広いせいか、歩く姿も颯爽と見えます。腹の突き出たオジさんも脚だけはモデルさんのよう、小ちゃくてまるまる太ったオバさんも小股ながらシャッシャと進んでいきます。そんな時、駐車場の遥か彼方向こうの方から日本人の若者らしきグループが歩いて来るのが見えました。こんな所で日本人のグループに出会うなんて珍しいなぁ、なんて考えているうちに不思議なことに気がつきました。

 

男女の区別もつかないくらい離れているのに、なんでボクは即座に日本人だと感じたのでしょう?もちろん髷を結ったり和服を着ているわけもありません。特別体格が劣っているとか、チョット前の日本人のように全員黒縁眼鏡にウェストバッグを腰に巻いて首からカメラが下がっているなんてこともないのです。それどころか身なりだけをみれば、よっぽど熟れています。

 

そうこうするうちにそのグループはだんだんと近付いてきて、だいぶ姿がハッキリしてきました。東洋人であることは間違いありません。年の頃は20代前半でしょうか、楽しそうに笑いながら話しをしています。 興味津々で視線を逸らしたまま聞き耳を立てていると徐々に言葉の端々が聞こえてきました。間違いなく日本語、それも関西弁です。予想が当たったことに満足しながら通り過ぎていく彼らを見やると、明らかにそれまで通過していった西洋人たちとは何かが違います。背が高いとか脚が長いとか形態の問題ではなさそうです。注意深く見ていると、どうも歩くときの重心の位置が違うようなのです。

 

行進

 

意識して観察してみると西洋人は前に進む時、前に踏み出した脚の上辺りに腰があるのに対して、日本人はほぼ後ろの脚の上にあるのです。別の言い方をすると外人は後ろ脚で上体と前脚を一緒に押し出すように進むのに対して、我々日本人は、まず前脚を前方に投げ出すように置き、あとから後ろ脚と上体が一緒に移動してくるのです。どっちのほうが理に適っているのか判りませんが,少なくとも今の我々の感覚では前者の方が格好良く見えるのは間違い無いようです。

 

これは履物のせいなのでしょうか?確かに和風な履物である草履、雪駄、下駄では踵が固定されないので西洋風に歩くと脱げてしまいます。それにたいして革底の西洋靴で日本風の歩き方をすると、コンビニ等の滑りやすい床では後ろにひっくり返りそうになります。しかし、普通に考えれば逆に歩き方にあった履物が育っていったというほうが自然です。

 

それについては次回考えてみましょう。

 

 

 

 

 

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