曽根 康男
そね やすお
自然観察指導員、ネイチャーゲーム指導員、インタープリター、プロジェクト・ワイルドエデュケーターとして活動中。エコミュージアム、インタープリテーション、民俗学に興味あり。
湿地にて
一年のうちで一番寒い時期ですが、僕のフィールドではニホンアカガエルやヤマアカガエルが産卵を始めました。先週末はまだ少なかったのですが、今日(1月27日・・・って、〆切過ぎてるけど)ちょっとひとまわりしてみると、7か所の池や湿地に全部で67個の卵塊が。どうやら昨夜の雨で一気に増えたみたいです。
とある湿地のほとりを歩いていると、倒木の枯れ枝上になにかがこびりついているのに気がつきました。近づいてみると干からびかけたアカガエルの卵(ニホンかヤマかは判定できず)。木の上で産卵するはずもなく、どうも昨夜産卵に来たメスがフクロウに食べられたあとのようです。カエルを食べるヘビは冬眠中でイタチやタヌキがそこで食べたにしては倒木が細すぎる・・・ということから一番可能性が高いのは肉食性の野鳥で、カエルの産卵は夜なので、おそらくはフクロウのしわざ・・・と推理したわけですな。
カエルの卵は卵ゼリーと呼ばれる透明な寒天質に包まれています。このゼリーは体内にあるときは卵の表面を薄く覆っていて、水中に産み落とされると周囲の水を吸って膨らむのですが、これが苦いというか渋いというかえぐいというか・・・めちゃくちゃ不味い! なので、フクロウは卵だけ残したのでしょう。
「食う・食われる」も自然の摂理のひとつ。フクロウも、間もなく繁殖期をむかえます。