イタリア、ラヴェンナの悠久の時間を感じながら・・・モザイク散歩

京都造形芸術大学芸術学研究室勤務後、イタリア・ラヴェンナに渡りモ ザイク工房ココ モザイコにてアリアンナ・ガッロに師事。 工房ではモザイク技術の習得と同時に日本からのモザイク研修などをプ ロデュースする。帰国後は東京でモザイク工房モザイコカンポをオープン。 銀座・エコールプランタンや、イタリア語語学学校等でモザイク教室を 開講、美術館や大学でのワークショップも随時開催。
モザイコ カンポ/Mosaico Campo(東京)http://www.mosaicocampo.com/
ココ モザイコ/Koko Mosaico(イタリア ラヴェン ナ)http://www.kokomosaico.com/

vol.17 みんなで作る いそいで作る

 

1週間ほど前、モザイク講座のために大阪へ行って来ました。主催は京都造形芸術大学、場所は大阪駅にほど近い、京都造形芸術大学の大阪サテライトキャンパスです。木とガラスの組み合わせが美しい大阪富国生命ビル(ドミニク・ペロー氏設計!)の一室に、古代ローマが誕生。この講座は、文化財保護のスペシャリスト、内田俊秀先生とのコラボレーション講座。先生の講義を聞いてから、モザイクの技法を説明して制作に入ります。参加者40名のほとんどは大学の通信教育部の学生さんたち。みなさん、日本画や陶芸、染色などを専門的に学ばれている方々でした。

 

講座名「ローマ人の生活とモザイク」
講座名「ローマ人の生活とモザイク」
内田先生の近著、『イタリアを旅する24章』(明石書店)
内田先生の近著、『イタリアを旅する24章』(明石書店)

今回は集中講座、2日間で制作を終わらせねばなりません。ローマ時代のモザイク職人並みの素早さが要求されます。そんな今回、用いたのはmetodo diretto、直接技法。大理石を割り、セメントを塗布し、その上に下絵を転写してどんどん石片(テッセラ)を並べていく技法です。通常の定期教室では時間に余裕があるので、仮置きの工程をプラスしているのですが、今回は仮置きなしでどんどん並べていく、一発勝負。緊張感が漂います。最初はおっかなびっくりでも、どんどんカットに躊躇がなくなり、テッセラも適材適所。感覚が研ぎすまされていくのでしょう。40名が作業しているのに、教室内が静寂に包まれる時間もあったり。まさに工房といった緊迫感です。

 

セメントをフレームに塗布します。ケーキ作りの要領で
セメントをフレームに塗布します。ケーキ作りの要領で
簡単な下絵をセメントの上に転写して、どんどんとカットしたテッセラを並べていきます
簡単な下絵をセメントの上に転写して、どんどんとカットしたテッセラを並べていきます
大人気のポンペイの犬の一部。オリジナルはナポリの国立博物館にいます
大人気のポンペイの犬の一部。オリジナルはナポリの国立博物館にいます

 

並べ終わったら、最後に石で叩いてならします。高さをここで調整するんですね。ならす前に、最後のチェック。オリジナルの写真と比べて、修正すべき点があるかどうか。

 

難しい柄にトライ。石でならすと、平らになって、ぐぐっと模様が浮き出ます
難しい柄にトライ。石でならすと、平らになって、ぐぐっと模様が浮き出ます
ソロモンの結び目モザイク
ソロモンの結び目モザイク

 

 

怒濤の2日間でしたが、無事に全員、作品が完成しました。同じ柄、模様を選んでも、出来上がった作品にはその人の個性が出ます。最後に完成した作品を並べて撮影会をしたのですが、みなさんのご自分の作品を見る目は、我が子の晴れ舞台を見つめる親御さんのような。

 

壮観です

壮観です

 

セメントの乾燥との闘いでもある、直接技法。急いで作るから、作品に個性がにじみ出てくるように思います。そしてそれが固着して、永く残る。「ここのカーブは苦労したんだよね」とか「あの角っこのテッセラはうまく作れたな」とか。見返す度に、モザイクを作った時間のことを思い出していただけたら嬉しいですね。

 

 

 

 

 

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