ちょうど、開店して20年たったんですね。昔は、この街にアンティークマップを持って、たくさんの人がきましたが、いまは以前ほどではありません。ここ10年、全体的に元気がありませんね。やっぱり、これ、趣味の世界ですからね。とくにウチは、飾ったり収集するようなものが多く、使うというものではないですからね。前はコレクター以外でも、使えないけどちょっと飾っておきたいわ、なんて言う方がいらっしゃったのですけれど、そういうおもしろがるのがなくなったようで。ずっと通っていただいていた方も、年齢層が上がってしまって、70代になられた方も多い…… で、もうこれ以上、そんなに集めても、みたいで、手放し始めた…… といっても、もともと好きで集めていたものですから、そうカンタンには、手放せないみたいですが。

若い人の感覚も、ちょっと変わってきていますね。いま、西荻窪は、雑貨屋さんとかギャラリーが増えてきています。若い人、いろいろなことに興味があるのでしょうけれど…… お店のこれから、ですか。……でも、あんまり深く考えても、その通りいくわけでなく…… ですから、考えないんですけど…… 以前、ギャラリーっぽいのをやってみたいと思っていたこともあって、いまは、展示をからめてみたらおもしろいかな、と思ったりしています。

そうですねえ、漠然と商売をやってみたいなあと、始めたんですね。私の母が、佐世保で喫茶店をやっていましてね。小さい店なんです。六畳にちょっと毛の生えたような、実家の裏庭に山小屋みたいのを建てて、やっていました。そこで、アクセサリーとかも、扱っていたんですね。その当時は、コーヒーを飲めて、ものも買えるというのは珍しくて、若い人にモテました。もう40年ほど前のこと。そういうふうにやれたら、と思ったこともありましたね。