全国版コラム 今日もアンティーク日和

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木土藍楽この道に入るキッカケは、友人に絵描きの息子がいまして、彼は美術学校に通っていたのですが、どうも、オヤジと同じ道を歩きたくなかったらしい。それで、陶芸に興味を持って、その陶芸に入るには、骨董屋で古い焼きものを見るのがいいだろうというので、ぼくが、付き合いました。ところが、逆に、ぼくのほうが、ハマっちゃいましてね。

それというのも、当時は、山形から出るものが多かったんです。たとえば、木が手ズレして、いい感じにアメ色になっているようなものとか、好きでね。これは、どこから出たんですかと聞くと、東北です、山形です、と。ぼくの故郷の山形に、そういうものがあったのかと、興味を持ち始めたんです。そのころ「木古里」という店の旦那と知り合ったんですが、ある日「できたら、こういう仕事をやりたいんですけど」といったら「じゃあ、明日から、くる?」。ぼく、23歳でした。

木土藍楽店は、表参道でした。買ってきた箪笥をきれいにしたり、配達に行ったり。…… 店にきている外国人が、よく教えてくれましたよ。その人たち、古い家具に手入れするのって、日常茶飯事みたいで、こうやるときれいになるよとか、家具用のワックスを自分が国に帰った時、お土産に買ってきてくれたりしました。いや、きれいにすること自体は、そんなに難しくはないです。簡単に言えば、雑巾で汚れを落としてって、下にはウルシが塗ってあるから、そこまでを、キレイにしていく、というわけですよ。ただ、あまりにも全部、きれいにしすぎちゃうと、面白くなくなる。そのへんの加減が難しいんですね。

なによりも、業界的な勉強としては、いくらで仕入れて、いくらで売るか、ということですからね。それがやっぱり、難しかったですね。骨董屋の相場って、常にありますから、常に動いていますからね。そういうのは、教えてくれません。なんとなく探りをいれて、いくらで買っているんだろうとか、感覚的に覚えていくわけです。
 

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木土藍楽

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