私は”鉄”のおんな

h1

Le Midiなんでしょうかね、吉祥寺あたりとちがって、西荻窪ですと、まだ、お店を始めやすい-好きなことを思い思いに皆やっているカンジ、ですかね。このあたり、以前は大きなお屋敷だったところでも、世代が交替すると、そのあとに、3軒、建ったりしますものね。でも、幸い、北、南、西、東に、商店がひろがっているし、0歳から100歳までの方がいる街。すぐそこにも、101歳の方がいらっしゃる-そんなふうに、全世代の人がいて、スーパーだけでなく、魚屋さんも、八百屋さんも、ハム屋さんもあったりして-ここに住むと、結構、よそに移らないんですね。

私、もともと生まれも育ちも、西荻窪でして、家が商売していた、というわけではないんです-学校を出て、フツーにOLをして、それで、一度は、旅ではなく、フランスに住んでみたい、と思っていたんですね-それというのも、フランス映画が好きだったもので、トリュフォーとかゴダールとか、ああいう映画を、観ていたんです。

留学するなら、パリよりディジョンで暮らしたほうがいいんじゃないかと、すすめられて、あのマスタードの有名なところ、ディジョンへ。滞在もしばらくたった夏、夏期講習をどこかでと、南フランスのプロヴァンスへ、語学留学しました。行きましたら、パリのアンニュイな雰囲気とあまりにもちがう-あっけらかんとしていまして、毎日、青空ですしね-そういうものを眺めつつ、香りにも魅かれ、これは、なんだろうと、道具にも魅かれ。いろいろと、何度か行くうち、興味を持つようになったんですね。

Le Midiフランスの骨董屋さんというと、きらびやかなもののあるイメージだったんですけど、ガラス戸も埃っぽく、ちょっと汚れていて、ええ? この店は? と-それが、いまよく名前を聞くブロカント、なんですが-なんだろうと思いつつ、通りすぎていたんです。ところが、ある日、骨董市があって、そこで、鉄の道具を持っている人がいて、その品物がスゴク気に入りました。それを、なんだろうと買ったのが、肉をひっかける道具だったんですね。骨董品ですと、家具とかカップとかいうイメージでしたけど、庶民の日常にある道具類を、売り買いしている-なぜか、そのことを、うわあーっと思ったのが、最初だったのです。

もともと日本で骨董に傾倒していたわけではないのですが、その売買は、小さな町で行われる骨董市が多く、気どったカンジのないところで見た、ふだんに使われていた道具が魅力的でした。

  • side01_on1
  • side01_on1
  • antique
  • side01_on1
  • antique2
全国版コラム 今日もアンティーク日和

Le Midi - ル・ミディ-

〒167-0041東京都杉並区善福寺1-4-1

Tel:03-3399-8209

OPEN:12:00 ~19:30

CLOSE:月,火曜日

HP:http://lemidi-jp.com

e-mail:le.midi@nifty.com