全国版コラム 今日もアンティーク日和

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古美術 仙遊洞ぼくは、画家になろうと 思って美術大学へ入ったのですが、釣り道具屋の息子だったので、商売気がぬけませんでした。これはマズイと思って、フランスの美術学校に行きました。その時、住んだのがアヴィニョンの法王庁前にある1400年 頃建てられた貴族の館の屋根裏部屋。部屋に続く階段は大理石でありながら、足形に10 センチくらい窪んでいます。そこで、ぼくは歴史というものを実感しました。大理石の窪んだ階段など、想像できますか? フランス留学中、フランス人に「神道や神社について説明してほしい」と求められたことがあります。しかし、答えられなかった。自分は本当に日本人なのだろうかと、疑いました。それがきっかけで、日本史や骨董に興味を持つようになりました。

古美術 仙遊洞日本に帰ったぼくは、職にもつかず「三年で文化史の勉強をおえるから」 と、奥さんに養ってもらいながら、日本史の勉強を始めました。それから二十年、なにも変わっていません。その間、子どもができたのですが、子どもが物心つく頃、パパが無職ではマズイと思って、美大の後輩だった菊地さんと仙遊洞を始めました。どちらかというと、菊地さんのほうが、骨董に熱心で、ぼくは彼女に引きずられて、骨董屋になったようなものです。菊地さんは、出会ったときから、歴女で仏女でした。

ぼくの趣味は、古代小説を書くことですが、ここ数年、働きもせず趣味に没頭してきました。骨董屋は、趣味のものを売るのが仕事ですが、自分が趣味に走った。夢中になるほうですから、ミイラ取りがミイラになったカンジで、貧乏のどん底。菊地さんに怒られまして、いまは改心して仕事をしております。美大出身の菊地さんも小田原のうなぎ屋の娘ですから、創作より商売。「つくるよりも買うほうが安い」と思った瞬間、二人とも画家の道を諦めました。商家出身同士、仲良くやっています。

 

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古美術 仙遊洞

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