全国版コラム 今日もアンティーク日和

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古美術 仙遊洞面白いのはね、十年前まで仏像鑑賞は男性の趣味でした。しかし、最近は女性も仏像を買うようになった。仏女の出現です。関心は、おしゃれな食器ではないんですね。仕事から帰って仏像を見ると、ホッとして癒されるそうです。実際の男性より仏像のほうが、魅力的なのかな。びっくりするのは、パワースポットブームです。ぼくが、骨董屋になったころ、女の子を神社に誘うと、えーっという顔をされた。京都の伏見稲荷に行っても、人もまばらだった。今年、二十年ぶりに子どもを連れて伏見稲荷に行ったのですが、竹下通りのように混雑していた。ぼくが、飲み屋で古墳や神社の話をすると、興味を示す。以前は、「私をスキーに連れて行って」だったのですが、今は「私をパワースポットに連れて行って」ですからね。

時代とともに、骨董の趣味も変わるんですね。うちの扱っているもので、近年、骨董品と呼ばれるようになったものもある。それは、三十年前までは中古品と呼ばれていたものでした。で…… 、これからどうなるか、といいますと、明治時代の器が見直されると思います。…… これ、手描きの絵付け、登り窯で焼かれているんですが、いくらで売っていると思います?一枚、えっ? 一万五千円? そう思うでしょう。でもこれ、千円です。これを、自分の持っている千円の価値観と比べるわけ。そうすると、ぼくのほうが、アタマがおかしくなっちゃうというか、なんでこれを、千円で売っているのだろうと……。お客さんの顔を見ると、うれしくなっちゃって、つい、安くしちゃう。

古美術 仙遊洞手描きできちんとつくったものは、飽きないんです。これが、大切なの。僕が骨董屋を続けているのは、飽きないものを売ろうという気持ちがあるからです。儲ける商いは下手ですけど、飽きないものを売るのは得意です。フランスに「古い女房は味がある」という言葉がありますが、まさにそれです。

 

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古美術 仙遊洞

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