その学校で、こういうこともありました。初年度最初のプロジェクト。カメラを持って、街に出ようというカンジで、3日間は外へとびだせ、好きなテーマを見つけてこい、と放牧されるんです。それぞれ、自分のテーマを見つけに行くんです。そのとき、私、戸惑いまして、友だちにくっついて行って、路線バスにワンデイ・パスで乗って、ひたすら車窓から街を眺めました。グラスゴーというところ、あまりキレイな街ではないのですが、その雑多なところが面白いなあと、見ていました。

3日たって、みんな、集まった。図書館に行った人、工事現場に行った人、植物園に行った人、…… オー、あなたは、そこへ行ったんだ、あなたらしいよねえとか、 …… それぞれ、個性的。私、思ったんです。なんて私、枠にはめられていたんだろうって。これが好き、というものが、それぞれの子たちにはあるんですね。それが伝わってきた。私は、何をしたい？ と聞かれてもすぐには答えられなかったんですね。ことばの壁にも増して、ものごとへの取り組み方の違いに戸惑っていたんです。何だろう ？ みたいに …… みんな、音楽が好きだ、食べることが好きだと、言われた瞬間に、これっていうものが、ある。私、そういう思考回路を持たなかったんですね。もっと自由でいいんだ、ということを突きつけられたような気がしました。それを教えられました。

たいていの授業がそういうカンジで、自分の見つけてきたもの、自分のオリジナリティをもとにして、ものづくりをスタートさせるので、できあがってくるものも、全然、違うんですね。テキスタイルデザイン科には、四つのコースがあって、染め、織り、ニット、刺繍 …… 私は、織りにすすみました。発想の豊かさ、自由さを、お友だちや先生から、シゲキを受けて学んだなあ、と思います。楽しかったですね。アルバイトもしました。ピザ・カフェのウェイトレスとか。それでお金を貯めて、仲よくなったヨーロッパの友人を訪ねて旅行に行ったりしましたね。

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『ホシツキセイザ vol 3 』を、6月30日から7月8日まで開催します。詳細はコチラから。