全国版コラム 今日もアンティーク日和

h111

ミシンあのミシンは、業者さんの奥さんが使っていたモノで、それを置いてくれないかと、持ってこられたんです。シンガーミシン。最近まで使われていたみたいて、ベルトのスペアも、ついています。あちらの長いテーブルは、日本のモノ。机にまつわるストーリーは、“ もと学校 ” というのが、多いですね。天板のウラとかに、ナニナニ中学校とか、書いてありまして、やっぱり独特のフンイキですよ。

お店の建物は、前川國男さんのお弟子さんが建てられたものでしてね。外壁の銅板とか、レンガの使い方とか、ちょっとイイんですね。私も、建築の仕事をしているので、よく見ると、オモシロイ建物なんですよ。店の名前を「ひぐらし古具店」としたのは、ひぐらし、という言葉の響き、ノンビリしたカンジがよかったのと、日々の暮らし、にもひっかけて。「古家具」としたかったんですが、家具を扱うほどの大きな規模でもないし、骨董というほど古いモノを扱うのでもなく …… 意外と昭和初期から中期のモノが多いですから。

古家具ぼく、モノをつくるのは、昔から好きなんですよ。プラモデルをつくったり。メカニカルなモノは、大好きで。そういう眼で見ると。この照明のパーツ一つひとつ、1950年代のモノは、いまだったら既製品でしょうけど、全部、手でつくっていますからね。ですから、いまも、照明とか時計とかを修理をしているときが、とても、楽しい。落ちつきます。設計のほうのストレスを、それで解消していると …… 。だって、お店を設計するときって、当然、クライアントの趣味があるんですよ。法的規制もあるんですよ。いろんなことがからんでくるから、できあがったものが、100% 自分の思い描いたものにはならないんですね。ちょっとしたモノづくりには、そういうことはなくて、自由じゃないですか。それは、やっぱり楽しいですよ。
 
 

  • side
  • side0811
  • antique
  • antique-a
  • backnumber
全国版コラム 今日もアンティーク日和

ひぐらし古具店

〒167-0054
杉並区松庵3-37-21 1F

Tel:03-5941-3642

OPEN:12:30-19:00

営業日:木曜日~日曜日

※不定休あり

HP:http://higurashi.shop-pro.jp/