まちかどのグッドデザイン no.15

まち歩きのススメ/大阪府池田市室町

まち歩きのススメ/大阪府池田市室町

大阪府池田市室町。明治43年、箕面有馬電気軌道(現阪急電鉄)による住宅開発の最も古いものです。その時代に急増したサラリーマンを対象にした郊外住宅。貸家、分譲住宅、貸地の三種を用意し、住宅ローン販売もされ、現代にも通じる住宅販売の先駆けであったと考えられます。溝渠下水、直営の購買組合(日常品販売店舗)、娯楽倶楽部、公園、床屋、クリーニング店なども設置されたとあります。

まち歩きのススメ/大阪府池田市室町

今はその多くが建て替えられているものの、そのころの住宅が大切に使われているのを見ることもできます。1区画100坪、木造2階建て延べ床面積30坪の分譲住宅には4種類のプランがあり、そのころのサラリーマンの理想的な住まいの形を想像することができ大変興味深いものがあります。開発地の中央には由緒ある呉服神社があり、この住宅開発の魅力のひとつだったろうと考えられます。
また、「室町会」と名付けられた自治組織があり、「隣保相助け合い」の住民共有意識がしっかりと存在していたことが判ります。