東山旧岸信介邸

御殿場にある東山旧岸信介邸を見てきました。
設計は吉田五十八です。

庭から見たところ。
向かって左側の軒の低い部分が和室、中央が居間、左が食堂です。
居間、食堂部分は天井が高く、大きな梁と太い柱が現わしとなっていましたが、木造とは思えない大きな空間でした。

東山旧岸信介邸

吉田五十八曰く

「政治家の住まいというものには・・・

私宅でありながら、いつ公的要素が突如として入り込んできて、公式の家に早変わりするか、わからないという性格を持っているものである。」



そういうことで、あの大きな空間が必要なのだなと納得しました。
大きな空間でも落ち着きと品があるのは吉田五十八の設計だからでしょう。



軒が低く抑えられた屋根の下の和室はシンプルなデザインで、細部のディテールも「近代数寄屋建築」の吉田五十八らしい空間でした。

東山旧岸信介邸

このほかにも1969年当時のままの全開口アルミサッシ(コーナー部に方立なし!)、
吉田五十八デザインの照明器具(階段の照明器具がよかった)、和室の欄間や障子、天井のデザインなどなど・・・みどころがたくさんありました。