暮らしが作り出す風景

白露・玄鳥去

「冬の寒い日、ストーブに火を灯し、一家団欒のひと時を過ごしています」
この薪棚からは、そんな暮らしの瞬間が思い浮かびます。

この薪棚は、道路から駐車スペースの分だけ奥まった位置にあり、その裏の庭に見える樹々とあいまって、敷地に奥行きを感じさせます。

また、日中の車が停まっていない時には、この薪棚が道路から敷地へ入り込む「外部」を力強く受け止めてくれるので、庭に守られている安心感をもたらします。

薪棚は、暮らしを豊かにするための道具でありながら、道と庭との境界をつくるものでもあります。

「暮らしが作り出す風景」は街や路地に人の気配を感じ、生き生きとした美しさがあるように思います。
 
暮らしが作り出す風景