塀の色々・一つ目

処暑・天地始粛

北風の強い地域では家の廻りに植えた防風垣で風を防ぎますが、台風の風が強い地域、沖縄や奄美では石や珊瑚を積んだ塀が家を守ります。

高知県も台風の通り道。
同じように、安芸では「いしぐろ」と呼ばれる石を積んだ塀が守ります。

いしぐろの一例ですが、基壇は切石を積み、その上に海岸から運んできた玉石を半分に割って一つ一つ丁寧に積んであります。(これが美しい!)
さらに玉石をそのまま使い、上部に瓦屋根を載せてあります。

半分に割った石は、雨に濡れると赤や青のそれぞれ持っている色が浮かび上がり、色鮮やかになると想像出来ます。

他にも、いしぐろの玉石は、楕円や丸、半分に割ったものやそのままのもの、大きさも色々。
また、横や斜めに積んだりと、各住居によって個性がありました。

「いしぐろ」は、地域の気候と素材、そして人の手が生み出した、地域デザインの一つです。

地域デザインて、本当に素晴らしいものですね。

 

塀