京都の朝は

京都の朝は

 

京都滞在の朝は早起きして5時半に着きたい場所がある。向うのは浄土真宗、真宗大谷派本山の東本願寺。

タクシーは無粋なので歩ける距離の宿に泊り、前夜の飲酒が残した頭痛と少し重い身体を叱咤して歩き始める。

烏丸通りに面した御影堂門の前に到着し暫く待っていると鐘楼の梵鐘が鳴ると同時に堂門の大きな扉が開く。一礼してゆっくり境内を歩むと敷き砂利を踏みしめる音がついてくる。

日本最大という壮大な空間を持つ御影堂に座し、おあさじ、(僧侶による朝の法要)が始まるのを待つ。日参の近隣住民や本山参りの僧侶衆が集まって来る。観光客は稀だ。

1000年以上続いているお経はシンプルで、アカペラの現代音楽の様にも聞こえてくる。世界の平和を祈っているのか。俗界に住む我が行いを反省し日本人であることをなぜか感謝したくなる。

法要は御影堂と阿弥陀堂で2度行われ1時間程で終了です。それから宿に帰って朝食を摂るのにちょうど良い時間です。冬季は法要の最中に夜が明けてきて劇的演出が見られますが京都の冬の寒さも加わって酔い明けの身には結構堪えます。

ちなみに西本願寺でも同じ法要があります。こちらは僧侶の人数が多く、東が室内楽とすれば、西はオーケストラです。どちらが法要に熱心か否かという巷話しがあるとかないとか。