つづく

東京都現代美術館で「ミナ ペルホネン/皆川明 つづく」展を観てきました。

「ミナ ペルホネン/皆川明 つづく」展

随分前にプロフェッショナルという番組で、袖口が擦り切れた時に下から違う色の布地が出てくるというコートを皆川明さんがデザインしていることを知りました。
テキスタイルのデザインから手掛けられていて、その素朴な感じも好きだったのですが、長く着続けることを考えたデザインにこころ惹かれました。
ミナペルホネンのショップに行ったことはなく、服も持っていないのですが、魅力的なものづくりをする皆川明さんの仕事を見てみたかったのです。

「ミナ ペルホネン/皆川明 つづく」展

テキスタイルのデザイン原画が展示されていて、いろいろな素材を使って表現しているのがとても印象的でした。
鉛筆、ペン、色鉛筆、水彩、マーカー、ゴムスタンプ、色紙、マスキングテープ、絵の具、、、
そして実際に出来上がった布はそれぞれの素材で表現された質感がそのまま表されていて、感動しました。
テキスタイルをつくる工場とのコミュニケーションでは相手へ敬意をもってものづくりへの熱意を丁寧に伝える。
その積み重ねの結果なのでしょう。


 
そして、テキスタイルを無駄にしないデザインとアイデアから、作品に対する愛情を感じました。


 
中村好文さんと作った原寸大のシェルハウス(簡素でここちよい宿)も展示されていて、そのシンプルなカタチが魅力的でした。

「布や服の中につくり手の熱量が溢れるほどにあり、それが使い手の日々の暮らしの喜びや幸福感に変換し記憶となり、その記憶がやがてまた創造の種となって社会に蒔かれ、新たな物となって続いていく」(皆川明さんの展覧会に向けたあいさつより)

「ミナ ペルホネン/皆川明 つづく」展

モノつくりの端くれとして、モノつくりの面白さを再認識させられ、刺激を受けました。
そしていつか、擦り切れた袖口の下から違う色の布地が出てくるコートが似合うような人間になりたいと思うのでした。