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遅まきながら、金沢21世紀美術館を見た。

金沢21世紀美術館

いくつかのキューブをガラスでぐるっと囲った、というか、
内外との境界を無くしたい為のガラスなのだと思う。
柱も存在感を極力消そうとしているかのように細い。
床の高さも外部との差はなく、逆に屋内に屋外のように起伏があったりする。

金沢21世紀美術館

どうだ!と言わんばかりの素材やディテールは、ほぼ無い。
驚いたのは、平日なのに人の多いこと多いこと。
平日美術館に行くと、年配の女性ばかりだが、
ここは老若男女、特に若い人の多さが目立つ。
両面道路に面した敷地の、真ん中に建っているので、敷地を通り抜けてゆく人も多い。
正面もよくわからないし、無料ゾーンも多いので、美術館に入るぞ~という感覚も希薄で、
環境や人に開かれた建築なのだと思った。

その前に見た、鈴木大拙記念館は周りを囲って独自の世界をつくっている建築。

鈴木大拙記念館

見どころ(建築的な)や凝ったディテールが盛りだくさんで、
建築オタクは「ほー」とか「へー」とか言いながら写真を撮っている。
写真の枚数の違いで、建築の性格の違いがわかる。

近年、住宅でも外部に対して閉鎖的な建物は多い。
建物が変わったというより、地域の共同意識が無くなったことと、
価値観を近隣と共有できなくなったことが、大きいのだろうと思う。