ここちよい暗さ

3.11の福島原発事故の際、計画停電が実施されました。
それと共に節電が呼びかけられ、駅やデパートなどの施設でさえも照明器具の一部が消され、街全体が薄暗い状態が続きました。
あれから8年、LEDが普及したこともあり、今ではすっかり事故前の、明るさが戻りました。
いや、白熱灯や蛍光灯からLEDに変わっているので、事故前よりも明るくなっているのかもしれません。
治安の視点からは街が明るいことは安心できます。
けれど、もう少し暗いところがあってもいいのにと、思うこともあります。

先日、軽井沢に行った時にここちよい「暗さ」を感じました。
軽井沢町は看板灯や庭園灯などの照度の規制があります。
観光地、別荘地として星の見える夜空を守っているのだと思います。
首都圏にいるとなかなか体験できない「暗さ」
今や「暗さ」は贅沢なのかもしれません。
せめて自分の家の中や庭にはここちよい暗さのあるスペースが作れるといいなと思います。

「軽井沢の家」のライブラリー

写真は師匠・田中敏溥さんの設計の「軽井沢の家」のライブラリー。
このくらいの暗さがここちよい。
中村が設計・監理を手伝いました。