内子町伝建地区 冨岡家主屋修理工事保存事業

内子町伝建地区

内子町八日市・護国地区は、江戸時代の旧街道沿いに立地し、木蝋の生産・販売で繁栄した在郷町であり、往時の町家群が多く現存し、昭和57年(1982)に、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。
保存地区全体では、製紙や木蝋の生産が盛んであった江戸時代中期頃の町割が残っている。

この地区の町並みは、棟を街路と並行に通す平入造りの町家が連なっており、町家の特徴として、浅黄色(黄土)と白漆喰で塗り込められた重厚な外壁や、袖壁になまこ壁、出格子、虫籠窓、出手摺等がある。その他、建物間の小道(せだわ)、敷地造成時の石垣、側溝等、江戸時代末期から明治中期頃の様子を留める。
歴史的なまちなみ保全においては、伝統的建造物群保存地区保存条例を制定し、地区住民の参加と協力のもと現在に至っている。

冨岡家(江戸末期建築)主屋修理工事は、屋根瓦の葺き替え、外壁土蔵大壁修理等の部分修理である。
屋根は、古瓦撤去し、それを選別し、1階オダレに水洗いをして」・再使用葺き直し。
大屋根は淡路瓦(鎬桟瓦)葺き、杉皮下地、鬼は焼き直し、甍部分は青海波(せいがいは)収め。丸伏せ2列、雪止め瓦である。
外壁は、土蔵大壁はぎ、荒斑直塗、5分掛塗、中塗、大津壁(黄土)上塗仕上げである。

軒の低いプロポーションには、ホットする黄土壁、袖壁に格子戸、雨戸に戸袋、外手摺、一つ一つがなにかを呼びかけるような、人の気持を惹きつけるものを持っているようだ。