上棟の祝い

上棟時の神事として、屋根の上から餅をまく行事があります。
工事の安全を祈願し、かつては広い地域で見られた風習ですが、準備をする施主には時間的にも費用面でも大きな負担となり、最近ではほとんど見られなくなっています。
そんな貴重な体験を先日させていただきました。

上棟の祝い

祭壇を設け、棟梁と施主により建物の四隅にお神酒と米そして塩を捧げます。
上棟の儀を済ませたのち、屋根の上に上った施主そして棟梁をはじめとする工事関係者の手で餅まきが始まります。
下には予め回覧板で近隣に告知され、大勢の皆さんが集まってくれています。
最初に建物の四隅に隅餅をまき、そののち袋に入った当日の朝つきたての餅とお菓子の袋がまかれます。
お菓子をまくというのはいかにも現代的な感じです。
こちらの地方では上棟時にまかれる餅を「ごち餅」と言うそうで、縁起物の感じがします。
まかれたものの中には「あたり札」のようなものが入っていて、リンゴジュースを手にした方もいました。
その場で餅を食べ始める子供たちもいれば、お互いのものを比べあうお年寄りもいて、とにかく皆さんの笑顔が印象的でした。