旧甲子園ホテル(現武庫川女子大学学舎/設計:遠藤新)

兵庫県西宮市

旧甲子園ホテル(現武庫川女子大学学舎/設計:遠藤新)

ライトの弟子の遠藤新の設計。先回のブログで紹介の旧山邑邸からおよそ12年後、昭和5年の竣工です。両翼が張り出した平面計画、特徴的な装飾は、東京の旧帝国ホテルを範としています。ホテル、海軍病院、米軍将校宿舎と様々な運命を経て、昭和40年武庫川学園が教育施設として買い取り現在に至ります。

旧甲子園ホテル(現武庫川女子大学学舎/設計:遠藤新)

床レベルの差を利用しながらボリュームの違う空間が心地よくつながっています。同じ空間でも視点の高さでの感じ方がまるで違ってきます。山邑邸でも感じた視点の高さ、寸法検討がここでも徹底されているように思います。もちろん、外部、内部ともにさまざまに施された装飾、使われている魅力的な建築材料も見どころです。

旧甲子園ホテル(現武庫川女子大学学舎/設計:遠藤新)

これらの写真は2009年12月に訪れた時のもの。武庫川学園が大学建築学科を開設し、当敷地を新設学科のキャンパスとして本格的に整備しました。同敷地内に新学舎ができるまで、しばらくは建築学生のアトリエとしても使っていました。この時期の学生はとても贅沢で貴重な時間を過ごしたことと思います。
「甲子園会館」で検索。事前申し込みにより、見学も可能です。