やさしい佇まいの家

「チルチンびと18号」(2001)の特集:やさしい佇まいの家の最初に掲載されています、田中敏溥建築設計事務所設計の「玉川学園の家」に田中さんと訪れる機会がありました。

やさしい佇まいの家

坂道の途中、招き入れるように枝分かれしたアプローチを進むと、木立の間から横に長く伸びたシンプルな屋根が見えてきます。深くのびた軒に低い床、軽やかな陰影を持つ外壁の唐松板張りと、けっして目立たず、それでいて凛としている佇まいは健在でした。
竣工から20年、必ず生じる壁の傷みや建具の不具合、そして変わっていく暮らし方に合わせ少しずつ手を入れたというお話を聞くにつけ、建物は住む人の優しさや愛着がとても大きく影響されるという事を、改めて感じさせてもらえた至福の時間になりました。