風景のなかの建築 no.3

滋賀県高島市

海津大崎

琵琶湖の北、湖北と呼ばれる高島市。「日本のさくら名所100選」にも選ばれている海津大崎。海津はその地名からわかるように、日本海から京都への海運の拠点として栄えた港です。常日頃はおだやかに見える琵琶湖ですが、時には海のような荒波が集落を襲うこともあり、ここ海津では江戸期に築かれた立派な石積みの防波堤を見ることができます。その石垣に凛として建つ民家の美しさは、見るものをはっとさせるものがあります。

海津大崎

かつての民家が、観光でこの地を訪れる人たちを受け入れる建物として活用されています。かつては琵琶湖に面して、きつ然と建っていた建築。その歴史とのギャップにためらいを感じつつ、現代にも生き生きとした建築としていかにあるべきか、模索が必要です。