銀座にて

奥野ビル

先日、友人が参加している書道展があり、現場の帰りに新橋まで行きました。その帰りみち、ついでとばかりに所用を済ませるべく銀座まで歩いてきました。当日は日曜日ということもあり歩行者天国、アジア系の旅行者でにぎわっていました。
そして1本裏通りを歩くと、銀座とは思えないレトロな建物が見えてきます。時々テレビドラマの舞台としても使われることがある「奥野ビル」建てられたのは昭和7(1932)年頃と言われています。戦前は「銀座アパートメント」と称し、高級な賃貸集合住宅でした。当時は文化人や俳優など有名人も沢山住んでいて、あこがれの住まいだったことが偲ばれます。

銀座にて

一見するとひとつの建物に見えますが、実は正面向かって左側が第一期で建てられ、反転するように右側が第二期として建てられ完成しました。そのことは今では結構知られていることで、それだけこの建物が愛されていることの証であるとも思えます。現在は数多くのギャラリーが入居しており、道に面した花代には無造作にエアコンの室外機が置かれています。しかし時の変化を内包したスクラッチタイル貼りのファサードにはそんなことにも動じない、人間でいうと達観した趣さえ感じます。

ちょっと失礼して、一期工事部分のエントランスに。当時設置されたエレベーターが残っていて、入口の上の壁にはなんともかわいらしい階数表示が付いていました。