2018年5月17 の記事一覧

『林芙美子 貧乏 コンチクショウ』展へ

『林芙美子  貧乏 コンチクショウ』展

『林芙美子  貧乏 コンチクショウ』展

あなたのための人生処方箋 ―というサブタイトルのついた展覧会である。
『林芙美子 貧乏コンチクショウ』(世田谷文学館、7月1日まで)である。

『浮雲』や『めし』など、いくつかの作品の原稿が展示されている。400字詰めの原稿用紙に整然と万年筆で書かれている。そのなかに〈小説は論文ではないのだから、只ひととうりの材料を書きこなすと言ふだけの気力だけで書かれたものはつまらないと思う。〉という文章もあった。

会場のあちこちに、林芙美子の詩をプリントアウトした カードが置いてあり、自由に手に取れる。いい企画だと思った。詩の一つは、こんなふうにはじまっていた。

わたしの下宿料は三十五円よ
ああ狂人になりそうなの
一月せっせと働いても
海鼠のように私の主人はインケンなんです。