住宅特集

家族とともに時を重ねる 四つの庭のある家  

 今から13年前に阿部建設が手がけたのは、中庭を巧みに配置することで、豊かな生活空間を創出した住まい。上質な暮らしと、3人の子どもたちの成長をしっかりとサポートしながら、この家は、家族とともに時を刻み、静かに味わいを深めていく……。

 名古屋城界隈の閑静な住宅街の一画。平屋建てのガレージの奥に、神野さんのお宅が控えめな表情で佇んでいる。竣工したのは13年前。長い歳月を経て、家全体が深い味わいを醸し出す。このあたりには、古くから多くの町家が建ち並んでいたそうで、町家特有の区割りはその名残の一つ。神野さんの敷地も、間口に対して奥行きが長い(約9・5×25メートル)形状である。

 当時、転勤で姫路から名古屋に移り住むことになった神野さん一家。3人のお子さんに「家の記憶」をつくってあげたいという夫妻の思いもあり、ご主人の父親が所有していたこの土地で家づくりをスタートさせた。まずはハウスメーカーをあたってみたが、なかなかピンと来る提案が得られなかったという。そんなとき、ネットで巡り合ったのが阿部建設だった。明治時代の創業以来、地域に根ざし、こだわりの木の家を手がける工務店だ。「個性豊かでセンスのいい家をたくさん建てているし、実際に会社を訪ねてみると真面目な社風がひしひしと伝わってきて、ここなら間違いないと確信しました」と、ご主人が述懐する。

 木の香と”こだわり”に惹かれて

 「神野さん夫妻が家づくりに求めたのは、心地よさと暮らしの質、そして何より『我が家らしい雰囲気』でした。それをいかに実現するか、あれこれ知恵を絞ったことを思い出します」と言うのは、この家を設計した同社社長の阿部一雄さん。音楽好きのご主人は当初、奥さんと一緒によく足を運んだクラブのような心地よさをイメージしていたが、阿部さんにあっさり却下されたという。「家は遊びに行く場所ではなくて、家族が日々暮らす場所なんだということを阿部さんに気づかせてもらいました」と、ご主人が笑う。「こちらの要望を何でも聞いてくれるような工務店だったら、きっと後悔する家になっていたでしょうね」。
 


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