其之五 冷茶で夏を涼しく 其之五
冷茶で夏を涼しく

冷たい夏のお茶の定番というと麦茶を想像されるかなと思います。他にも最近注目されているのはコーン茶やとうもろこしのひげ茶。韓国ではポピュラーなお茶ですが、最近は日本でもペットボトルなどで売り出されるようになりました。カリウムが含まれているので利尿作用やむくみ解消など、また食物繊維も多いので便秘の方にもおすすめです。さて日本でペットボトル商品になっている中国茶は凍頂烏龍茶や黄金桂、プーアール茶、ジャスミン茶、最近では黄山毛峰(こうざんもうほう)という緑茶もペットボトルのお茶として売り出されています。以前に比べたらたくさんの種類が出ていて、冷たい中国茶を気軽に飲めるようになりました。


でもせっかくなら美味しい中国茶の冷茶をご自宅で作ってみませんか? 作り方は簡単!! お気に入りの中国茶葉を市販のお茶出しパックに少し多めに入れて水に投入! あとは冷蔵庫で一晩おくだけです。より抽出しやすくするならパックに詰めたお茶に短い時間、熱湯に浸してから入れるだけ。ちょっと熱湯につけた茶葉は広がり、お茶の成分が出やすくなります。私のおすすめの茶葉は「文山包種(ブンサンホウシュ)」の冷茶です。とても甘く華やかな香りが鼻を抜けていきます。じめじめした気分をすっきりさせるにはぴったりです。冷茶の淹れ方としては、熱いお茶をたくさんの氷でいっきに冷やしたりしますが、濃い目にしないと薄くなってしまったり、クリームダウン現象という、まるでミルクを入れたように濁ってしまうことがあります。より簡単に美味しく入れる方法として水だし冷茶はおすすめです。


冷たい中国茶のお話をしましたが、中国茶の茶葉の中にも、体にこもった熱を発散してくれるお茶があります。白茶と言われるもので、摘んだあと少し発酵させて乾燥しただけのお茶です。その中でも白いうぶ毛を付け、針のような新芽だけで作られた「白毫銀針(はくごうぎんしん)」はとても美しく、ちょっと低い温度のお湯で淹れていただく、と甘く清らかな味を楽しんでいただけます。ぜひガラスの茶器やワイングラスで淹れて茶葉の美しさを眺めながら飲んで、涼を感じて頂きたいです。