其之四 なぜ中国茶の道を選んだのか?〜後編〜 其之四
なぜ、中国茶の道を選んだのか?〜後編〜

私が中国茶の道を歩み始めることになった、決定的なきっかけでもある三人目のおじさんとの出会い。それは一人目の美女からの紹介でした。そのおじさんは、中国茶の知識においては超一流の先生でした。先生から中国茶をもっと本格的に学びたくて、門を叩いたのです。


まず1年間かけて、中国茶全般の知識を身につけることとなりました。茶葉の知識、歴史、お茶のテイスティング、マッチング。先生は厳しく、早口の授業について行くのがやっとです。茶葉も実際につくることで学びました。徹夜で作業を行い、朝方に自分のつくったお茶を朝日が登る山の上で飲んだ感動は忘れられません。


ちょうど学び始めて半年のころ、順調に思えた勉強の最中に、突然、主人の仕事の関係で福岡に転勤になりました。「福岡からここまで通うのは難しいかもしれません」と先生に言うと「遠くて大変だろうけど頑張って通ってごらん、私も協力するから」と言ってくれました。普段は厳しい先生の、このやさしい言葉、そして家族と仲間のおかげで残りの半年を無事学び終え、最後の厳しい試験もなんとか合格し、「中国茶インストラクター」という称号を手にすることができました。そして、半年後に中国の国家資格である「中級茶藝師」を取得するために中国へ渡り、1週間現地の先生方に学んで試験に挑みました。さらに、その1年後にはもうひとつ上の資格である「高級茶藝師」を取得するために再び中国へ。プレッシャーに押しつぶされそうな毎日でしたが、高級茶藝師になるための貴重な経験を多くさせていただき、試験も無事に終えることができました。


「なぜ中国茶の道を選んだの?」次にそう聞かれたら「中国茶を愛する人たちに出会うことができたからだよ。」と、そう答えてみましょうか?いや、またきっとすぐには答えられずに「好きだから」なんて野暮ったい返事をしてしまう私なのでしょう。