雑誌「チルチンびと」67号掲載 人を生かし、風土を生かす家づくり 岡山編

地域の伝統・文化を応援しコミュニティ・ビルダーをめざす工務店

倉敷の町並み保存に助っ人したり、メディアを通じて地域の一般市民に語りかけたり。岡山の工務店が多彩な活動を行っている。もちろん、深い考えがあってのこと。そのきっかけ、理由などをうかがいつつ、活動のいくつかをご紹介しよう。
町並み保存のボランティア岡山県倉敷市の倉敷川沿いにある美観地区。ナマコ壁の蔵造り、焼き杉板に漆喰の塗屋造りなど、江戸期からの風情を残す懐かしい町並みは、人びとの心をとらえてやまない。
  この美観地区から続く東町で、3 月のある朝、伝統的な焼き杉板を使った塀づくりが始まっていた。鋸や金槌を持つのは団塊世代の男性約20名と、NPO法人「倉敷町家トラスト」のスタッフ。技術指導は福富建設のベテラン社員大工、城谷久吉さんと、若手社員大工の金高徹也さん、岩本健太さんだ。参加者は城谷さんのプロの技に感心し、孫ほど年の違う福富の若手大工の指示を聞いては、きびきびと動きまわっている。
  塀づくりは団塊世代向け市民講座の一環で、技術指導は福富建設によるボランティアだ。でも、同社の本拠は岡山市にある。なぜ倉敷市でボランティアをしているのか。ここ数年、同社には倉敷市での施工依頼が増えている。岡山だけでなく同市でも地域に根ざした家づくりをしようと市内に支店を計画し、その過程で知り合ったのが倉敷町家トラストだ。
  倉敷市は全国に先駆けて町並み保存に努めてきたが、住民の減少や高齢化で維持が難しくなりつつある。そこで、30年先まで見据え、町家の再生・利用を通じて地域の風土や生活文化を守っていこうと、地域住民を中心に同トラストが設立された。 
一方の福富建設は、後藤正弘社長の祖父が地域型宮大工、父の先代社長が大工棟梁。現在は社員大工が伝統的な建築技術をしっかり受け継ぎ、古民家修復も手がけている。

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