雑誌「チルチンびと」別冊52号掲載 ㈱トヤオ工務店
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48いい家をつくる工務店の事例1書斎の壁に張られた赤身・柾目の杉。智洋さんのおじいさまが残した希少な材で端正な表情。 22階の主寝室。ベッドの後ろの扉の先は大容量の納戸。31階廊下の壁につくった伝言板。壁の中に鉄板を入れて磁石がつくようにした。 4階段の途中にも窓を設け、採光と通風を確保。 5位田さん一家とトヤオ工務店の鳥谷尾眞道社長(右)、息子で大工の鳥谷尾基樹さん(左)。 6敷地内にはご先祖が残した立派な木や庭石が。智洋さんお気に入りの書斎。窓の位置、机の高さなど細かい部分まで打ち合わせを重ねて完成させた。障子を開ければ美しい風景を満喫できる。21ラーを使う必要もないそうだ。智洋さんが望んだ書斎は、畳敷きにして机を造り付け、くつろぎの空間となった。 住まいにはふんだんに無垢材が使われているが、鳥谷尾社長は適材適所で異なる材を使い分けたと話す。「構造材と柱、建具は地元・三重産の檜、1階の床はスッキリとした見た目の柾目のカラマツ、2階の床には寝転がって気持ちいいやわらかな杉を使いました。木って本当に奥深いんです」。また、書斎の壁とキッチンカウンターの側面には、赤身で柾目の杉が張られたが、これは智洋さんのおじいさまが残したものだという。「自分で内装を手がけるのが趣味で、使わなかった木材がそのまま残されていたんです。鳥谷尾さんが『素晴らしいものだからぜひ使いましょう』と取り入れてくださって、天国の祖父も喜んでいると思います」(智洋さん)。 木のぬくもりに包まれ、豊かな自然の中での暮らしを満喫する一家。「子どもたちがのびのびと家中を駆け回っている姿を見ると、しみじみとよかったなあと思いますね」と話す夫妻のやさしい表情が印象的だった。

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