雑誌「チルチンびと」87号掲載 愛知県 ㈱エコ建築考房
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 家族そろって本が大好きなAさん一家。蔵書で以前の住まいが手狭になったことから、家づくりを考え始めた。奥さんはインテリアが好きで、日ごろから住宅雑誌を楽しんでいたという。「『チルチンびと』に載っている工務店なら希望を叶えられるかなと、エコ建築考房さんを見つけて行ってみました」と奥さん。ショールームのうづくりの厚い杉の床をはじめ、自然素材の使い方やまちなみに溶け込むシンプルなデザインは、Aさん夫婦のイメージどおりだった。 最初に相談したのは、もちろん本の収納についてである。設計を担当した同社の五香祐輔さんは「僕も好きだからわかりますが、本は背表紙を見たいですよね。家中の壁に本棚を設けてたくさん収納することを提案しました」と振り返った。リビング、階段下、2階のホールなどに設けたオリジナルの本棚に、Aさん夫婦は大満足しているそうだ。  家事動線の希望を伝えるため奥さんが用意した『チルチンびと』の事例は、田中敏溥さん設計の住宅だった。田中さんは家族の日常や、気候風土などの土地の特性を生かすことを大切にしている建築家で、同社は協同で家づくりをす対面式のキッチンはオリジナル。キッチン下や壁には本棚が造作でつくられている。考え抜かれた設計で大好きな本を身近に豊かに暮らす膨大な本の収納を考えることから始まった家づくり。シンプルな間取りと空間の広がりが感じられるような設計が魅力だ。温かく足触りが気持ちいいうづくりの床で、家族は安らぎの時間を過ごす。写真・川辺明伸 文・湊谷明子 —愛知県 エコ建築考房 A邸—158

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