雑誌「チルチンびと」78号掲載 愛知県 ㈱エコ建築考房
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チルチンびと 「地域主義 工務店」の会 もあり、いつかは家を建てたいと考 えていた。住宅展示場を訪れてはみ たものの、新素材の家は、素材感が マンションと大差ないことや、なによ り接着剤のにおいなどが気になった。  そんな時、地元の雑誌でエコ建築 考房を知り、見学会に参加。ご主人は、 自分なりに本を読むなどして住宅の 構造や素材について勉強してから行 ったという。「話を聞いて、長く暮ら す家だから空気もよく、構造的にも 長持ちする木の家がいいと確信しま した。デザインも木と白い壁のバラ ンスがよくて気に入りました」。  創業16年目の同社は、自然素材を 使った健康的な家づくりに取り組む 工務店。地域材の長良杉、東濃の檜、 天竜杉などを大工が自社工場で加工 する。設計者も勉強熱心で、「素材は もとより設計もよいものを」と『チル チンびと「地域主義工務店」の会』 が主催する設計塾にも毎回参加。「き れいで心地いい空間のつくり方などを、 現役で活躍する建築家が教えてくれ る。参加してから設計の意識も高く なりました」と設計を担当した同社 の鈴木雅文さんは話す。  その後見つけた土地は細長く、家 が建てられるか不安に思ったご主人は、 鈴木さんに相談。「親身に応えてくれ 風と光と炎のある 切妻屋根の家 自然素材を使って、なおかつデザインもいい家を 求めた一家がパートナーに選んだのはエコ建築考房。 細長い敷地でも快適に暮らせるよう工夫された家とは。  名古屋から電車で30分、畑がとこ ろどころに残るのどかな住宅街に奥 村邸は建っている。  奥行きのある細長い敷地に建つ家は、 白い外壁に、緩い傾斜の切妻屋根が 流れる端正な佇まい。赤い愛車が停 まるガレージの奥のデッキから、子 どもたちが元気いっぱいに出迎えて くれた。三和土のアプローチを通り、 玄関へ。入った右手には、明るい日 差しが入るひろびろとしたLDK。 屋根の形状が現しの、傾斜のある天 井が空間に広がりを与えている。  それまでは賃貸のマンションに住 んでいた奥村さん一家。しかし、夫 妻ともに木造の一軒家で育ったこと 愛知県エコ建築考房 写真=山田新治郎 風も光も取り入れた 心地いい住まい 緩やかに流れる切妻屋根が印象的な外観。 上/エコ建築考房が差し入れてくれた薪。 下2点/薪ストーブの前で 火を見ながらくつろぐ奥村さん親子。薪ストーブでつくる料理は格別。 226

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