46号掲載 人を生かし、風土を生かす家づくり 青森編
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自動製材機では、アテなど木の癖に合わせた挽き方はできないからだ。狂いの出やすい広葉樹ともなれば、中村さんの腕がいっそう生きる。「なんぼ大工の腕がいいんたって、木が悪ければいいもんはできねえ」と中村さん。製材職人と大工は名コンビでなければならないという。  中村製材所は製材だけでなく素材生産も行う。「こんな材が欲しいと言われれば、それにふさわしい木を山から伐り出して製材できるのが、うちの強みです」と同製材所の菊地隆信さん。田中さんの山のどこにどんな木があるかを熟知している。 竪木を生かせる貴重な工務店  山と製材所に別れを告げ、最後に三沢市の堅木工房を訪ねた。中村製材所から仕入れた材で家づくりを行う堅木工房は、文字通り、クリや欅などの堅木を生かすことのできる数少ない工務店だ。「柱はほとんど芯去り材ですし、材には満足しています」というのは、堅木工房社長の河村修一さん。構造材から板材、葉柄材、建具材まで、中村製材所からトータルに仕入れている。少しでも多

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