雑誌「チルチンびと」別冊28号掲載 新潟県 ㈱二村建築

自然を取り込んだおおらかな木の家

自ら大工を育て、高い技術で家づくりに取り組む工務店。設計力の向上が今後の課題と、その姿勢に共感する建築家とのコラボレーションにこのほど踏み切った。完成したばかりのモデルハウスは意匠として木を見せながら、シンプルなテイストが目にも心地よい。  建築家の手に設計を委ねる 「うちには今、大工が30人ほどいますが、全員が社員。それが最大の特色です」新潟県は中越地方、弥彦村に拠点を置く二村建築の二村清栄社長はこう言って胸を張る。創業以来、大工技術を大事にし、手刻みによる家づくりにこだわってきた。  とはいえ、ここ数年、悩みもあった。材を使いこなすのはお手のものだったが、住まい手のライフスタイルは時代とともに変わる。それに対応した家を建てるには、技術力だけでなくデザイン力をもっと磨くことが欠かせないのでは?!こんな思いを一方に抱えていたからだ。  たまたま「チルチンびと『地域主義工務店』の会」を知り、審査を経て入会。それぞれの地域で自然素材の家をつくろうと頑張っている会員社から多くを学んだが、それ以上に大きいのが建築家たちとの出会いだったと二村社長は話す。 「建築家の手がけた住まいをあちこち見学して歩き、やはり一流の方の作品はすごい、と。ちょうど新しいモデルハウスを建てようと計画していたので、その設計を委ねようと決心しました」  同社は、越後の霊峰・弥彦山の麓に広大な敷地を有し、そこに社屋や加工場もある。現在も整備を進めており、次代の顔となるモデルハウスの建設もその一環をなすプロジェクト。では、設計をどこに依頼するか。吉田桂二さんの住まいに対する考え方に前から共感していたこともあり、連合設計社市谷建築事務所に打診したところ、快諾してもらえた。こうして、初のコラボレーションが実現。このとき、二村社長は自らに言い聞かせたという。あれこれ注文したいのは山々だが、それでは意味がない。いっさい口を出さず、お任せしよう、と。

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