雑誌「チルチンびと」90号掲載 群馬県 松浪建設㈱
3/4

232脱衣室・浴室へと続く。家族室や食堂からの視線が手前の階段でさりげなく遮られるのもうれしい工夫といえよう。浴室は西側の中庭に面していて、イロハモミジやシランを眺めながら入浴できる。薪ストーブを囲んで 家族が一緒に過ごす 同社の家づくりの根幹をなすのが、自然素材への徹底したこだわり。花粉症に長年苦しんできた社長自身の体験がその背景にあるが、重いアレルギー疾患を抱える方が近県からも駆け込むケースが増えていると聞く。構造材や床材はもちろん建具も造作も国産の無垢材のみを用いる。このモデルハウスで使ったのは、柱が檜、梁が杉、床は日光杉だ。壁は珪藻土と漆喰をブレンドしたものを塗っており、調湿性とともに消臭性・殺菌性にも高い効果を発揮する。 〝住の安全〞への配慮に加え、豊かな暮らしの提案も忘れてはいない。家族室に鎮座する薪ストーブはその一つ。太田市は寒冷地ではないものの、冬は空っ風が吹くため、体感温度はかなり低い。薪ストーブは暖房装置として役目を果たすが、それだけでなく、目の前で炎が燃えていると心身ともに温まり、リラックスするのがポイントだろう。冷え込む時季には家族や友人が薪ストーブのまわりに集まり、にぎやかな笑食堂、前方が台所で左にパントリーを設けており、そのまま勝手口へ。カウンター下の収納や棚、それに奥の収納も大工がお客さまの希望に合わせて手づくりする。右/食堂の庭は和の佇まい。浴室からも緑が楽しめる。 左/和室はデッキに面した側を広縁風の板敷きに。左側の襖を開けると家族室と一体になる。

元のページ  ../index.html#3

このブックを見る