住宅雑誌「チルチンびと」81号 -庭時間のある暮らし-
7/9

仕事を終えた、金曜日の夜。 朝を迎えるのが楽しみでなりません。 土曜日は日の出とともに、一人で起きます。 線路脇の電車もまだ動かず、 妻も息子も、まちもまだ寝静まり、 誰もいない静かな世界。 まず作業着に着替え、土間から庭を眺めながら コーヒーを一杯飲んで、庭仕事を始めます。 夜露で湿った土や草の 芳醇な香りに包まれながら 無心に草を抜き、土を整え、石を拾い、 水を撒いているうちに 鳥がさえずり始め、 家族が起きて庭に出てくるのです。 中西 玄・談/住まい手

元のページ  ../index.html#7

このブックを見る