住宅雑誌「チルチンびと」71号 -ずっと、居たくなる家-
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地よい空間だ。 「大きな家だけど、1階と2階を含め、部屋と部屋の距離感がすごく近い。家族の気配もいつも感じています。これが設計の力か! と、感動しました」と奥さん。「威圧感を与える外観にしたくなかったので、屋根の高さはできるだけ低く、勾配もなるべく緩やかに。そこで、2階の床を窮屈にならない限界まで低くしました。数センチ低くするのにウンウンと悩んだのです」と、この家を設計した田中敏溥さんは笑う。「近い」という体感はこうした工夫から生まれている。田中さんは、これを1階と2階を“仲よく”させたと表現する。 やさしく紡がれた住まい  この家のご主人、加藤善典さんは、『チルチンびと「地域主義工務店」の会』の会員社である「家造㈱加藤組」の専務だ。善典さんと奥さんは、家具の製造販売などをしている会社「オークヴィレッジ(岐阜県)」の家具職人養成学校で出会った。奥さんは、家具職人として働いていた経験もある「ものづくり夫婦」なのだ。

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