雑誌「チルチンびと」77号掲載 京都大原の山里に暮らし始めて 梶山正
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 ラベンダーやタイムなど地中海原 産ハーブを植えた玄関脇のコーナー をベニシアは地中海の庭と名付けて いた。ところが、数年前からそこを ビー・ガーデンと呼ぶようになった。 そのわけは2006年に北米で起 きたCCD(ミツバチが突然失踪 する現象)を知り、ミツバチのこと を考えるようになったからだ。  1990年代より欧米でミツバ チが減少し、それが今では世界的に 広がっているそうだ。その理由は、 蜜源植物の減少や農薬による被害、 またミツバチに寄生するダニの増加 や病気などによる。また、携帯電 話の端末や基地局から発生する電 磁波が、ミツバチのナビゲーション 能力を狂わせて巣に戻れなくなると の研究報告もある。  世界の食糧の 90 %を供給してい る約100種類の作物のうち 71 種 類が、ミツバチの花粉媒介によりで きる農産物である。現在世界の人 口は 72 億人。約 50 年前の1960 年は 30 億人であった。一方、世界の ミツバチは過去 50 年間で約 45 %減 少しているという。これらの数字は ミツバチの減少が、人類の食糧危 機につながる可能性があることを明 確に示していると思う。  僕たちはミツバチのことを考える ために、ビー・ガーデンのコーナー をつくり蜜源植物をたくさん植えて いる。このページの写真はすべて蜜 源植物だ。 ①ミモザ ②バジル ③モッコウバラ ④ローズマリー ⑤ベルガモット   ⑥ヤグルマギク ⑦アニスヒソップ  ⑧ナデシコ ⑨ボリジ ビー・ガーデンの蜜源植物

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