雑誌「チルチンびと」77号掲載 京都大原の山里に暮らし始めて 梶山正
8/8
ラベンダーやタイムなど地中海原
産ハーブを植えた玄関脇のコーナー
をベニシアは地中海の庭と名付けて
いた。ところが、数年前からそこを
ビー・ガーデンと呼ぶようになった。
そのわけは2006年に北米で起
きたCCD(ミツバチが突然失踪
する現象)を知り、ミツバチのこと
を考えるようになったからだ。
1990年代より欧米でミツバ
チが減少し、それが今では世界的に
広がっているそうだ。その理由は、
蜜源植物の減少や農薬による被害、
またミツバチに寄生するダニの増加
や病気などによる。また、携帯電
話の端末や基地局から発生する電
磁波が、ミツバチのナビゲーション
能力を狂わせて巣に戻れなくなると
の研究報告もある。
世界の食糧の
90
%を供給してい
る約100種類の作物のうち
71
種
類が、ミツバチの花粉媒介によりで
きる農産物である。現在世界の人
口は
72
億人。約
50
年前の1960
年は
30
億人であった。一方、世界の
ミツバチは過去
50
年間で約
45
%減
少しているという。これらの数字は
ミツバチの減少が、人類の食糧危
機につながる可能性があることを明
確に示していると思う。
僕たちはミツバチのことを考える
ために、ビー・ガーデンのコーナー
をつくり蜜源植物をたくさん植えて
いる。このページの写真はすべて蜜
源植物だ。
①ミモザ ②バジル ③モッコウバラ
④ローズマリー ⑤ベルガモット
⑥ヤグルマギク ⑦アニスヒソップ
⑧ナデシコ ⑨ボリジ
ビー・ガーデンの蜜源植物
元のページ
../index.html#8