雑誌「チルチンびと」74号掲載 京都大原の山里に暮らし始めて 梶山正
1/4
京都大原の山里に
暮らし始めて
12
僕は1996年に、イギリス人の妻・ベニシアと
息子の悠仁と3人で、京都大原の山里に引っ越してきました。
暮らしながらの民家改修や、ここで経験したこと、
考えさせられたことなどを綴っていきます。
上/まだ寒いが、ユキヤナギの
花芽が春を告げている。 下/
京都北山北部、中央分水嶺山地
の麓の山村を訪ねるため、雪降
る針畑川上流をめざした。薪ス
トーブの炎と笑顔の友人が、冷
えた僕たちを暖かく迎えてくれ
た。 左ページ/寒さが続く2月
中旬、標高1214mの武奈ヶ岳を
登った。我が家から登山口の坊
村へ車で30分の、近場でいちば
ん高い山だ。雪を踏みしめて頂
上に近づくにつれ、霧氷の森が
広がっていた。
写真と文 梶山 正
梶山 正
かじやま・ただし/1959年長崎
県生まれ。写真家。山岳写真な
ど、自然の風景を主なテーマに
撮影している。登山ガイドブッ
クほか共著多数。84年のヒマラ
ヤ登山の後、自分の生き方を探
すためにインドを放浪し、帰国
後まもなく、本格的なインド料
理レストラン「DiDi」を京都で始
める。妻でハーブ研究家のベニ
シア・スタンリー・スミスさん
とはレストランのお客として知
り合い、92年に結婚した。
8
元のページ
../index.html#1