雑誌「チルチンびと」 72号掲載 人を生かし風土を生かす家づくり 福島編
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 福島復興のために力を尽くす増子建築工業。同社が建てたモデルハウスを訪ねた。郡山市の開成山公園にほど近い土地に建つこの家は、2011年に完成したモデルハウス「杢 こだくみ」(小誌65 号)と対になっている。 「杢」の黒い外観に対し、こちらは洒脱な赤茶色の外観が印象的。比較的部屋数の多い「杢」に対して、よりコンパクトな家になっている。「延床30坪で、若い夫婦と子ども一、二人で住むことを想定しています。自然素材をふんだんに使いながら、シンプルでデザイン性も高く、というのがコンセプトです」と増子建築工業の増子則満さん。  塗り壁の質感が美しい玄関を抜けて中に入ると、吹き抜けが伸びやかなダイニング・キッチンが広がる。見上げれば2階天井の立派な梁組が頼もしい。ダイニング・キッチンと隣り合う二間続きの和室リビングは、一間が板の間、一間が床とこの間を備えた畳敷きに。部屋の仕切りはすべて障子で、壁に引き込むことで12畳の大きな空間として使える。 「部屋の用途を限定しないことで、住む人が暮らしに合わせて自由に使えます」と、両モデルを設計した建二間続きの和室リビング。右奥の床柱にはあえて節のある木を使ってアクセントにした。  下2点/障子を開け閉てすることで、空間を自由に使える。 

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