雑誌「チルチンびと」 パッシブでアクティブな暮らし
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地中で熱交換した空気を取り込む ●ジオパワーシステム http://www.geo-power.co.jp ジオパワーシステム、夏季の仕組み ジオパワーシステム、冬季の仕組み ジオパイプの構造 表/全国各地の外気温と地熱温度の温度差比較  天候に左右されない自然エネルギーとして にわかに注目されている地中熱。 外気とは 違い、温度変化が少なく、夏は外気よりもほ んのり涼しく、冬は外気よりもほんのり温か い熱が蓄えられている(表)。  年間を通して安定した地熱温度と外気温度 の差を利用した換気システムが「ジオパワー システム」。エアコンのような機械空調シス テムとは違う、あくまで自然エネルギーを利 用したパッシブシステムで、地下5メートル の深さまで差し込んだ特殊パイプ(ジオパイ プ)に空気を送り込み、地中熱によって熱交 換した後に再び建物に戻すことで空調効果を 生む。  このジオパイプは二重構造で、外側は防食 加工されたアルミ製、内側は熱を逃がしにく い樹脂製になっており、地中で熱交換した外 気を効率良く取り込むことができる。また、 取り込んだ空気中に含まれる花粉・チリ・埃 などを、条件によっては 80 %以上除去するこ とができる。  夏季には熱く湿った空気をジオパイプに送 り込み、地中熱で冷やし、基礎上部に小さな 割石(グリ石)を敷き詰めた蓄熱層を通して 床下から吹き出させる。このとき、地域条件 によって効果の度合いは異なるが、除湿や空 気浄化の効果も期待できる。  天井裏に集まった室内の熱気は自動的に排 出され、外気に反応する温度センサーが設定 温度以下になると、夜間の冷気が積極的に取 り入れられる。  冬季には冷たい空気をジオパイプに送り込 み、地中熱で温めた後、床下の蓄熱層を経て 床下から吹き出させる。機械で温度調整しな いためエアコンほどの効果は期待できない が、温度の底上げができるので、暖房使用時 に短時間で室内を温められる。  地域の特性を生かした地下水利用タイプ や、効果的なヒートポンプ併用タイプもある。 ソーラーブレス ソーラーブレス (単位/℃) ・冬の最も寒い   日の平均気温 ・夏の最も暑い   日の平均気温 ・-・冬の外気温と 地中温度の差 ・-・夏の外 気温と地中温度の差 ・平均地中温度 札幌-8.9 25.9 8.9 17.8 17.0 新潟-0.6 29.7 13.9 14.5 15.8 東京0.5 30.8 16.3 15.8 14.5 名古屋-0.4 32.2 15.8 16.2 16.4 大阪2.2 32.4 16.9 14.7 15.5 -0.6 30.9 16.3 16.9 14.6 2.5 31.6 17.0 14.5 14.6 鹿児島2.4 32.2 18.6 16.2 13.6 広島 福岡

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