雑誌「チルチンびと」 備えある住まいづくりチャート
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備えある 住まいづくりチャート まさかの ときの ために 備えある 住まいづくりチャート まさかの ときの ために  電気、ガス、水道など生活を支えるライフラインが、もし止まったら……。そんな緊急事態に少しでも 安心・快適に過ごすための備えを、ふだんの暮らしに取り入れられないでしょうか。平時でも家庭のエネ ルギーを支えながら、もしもの時にはあなたやまわりの大切な人たちを救うかもしれない、ライフライン の代替方法を、建築家の安田滋さんと考えてみました。 監修/安田 滋 イラスト/ YOSHiAKI 電気が止まったら …… 電気はライフラインのなかでも復旧が早く、たとえ災害で断絶しても 1週間程度で回復すると言われています。しかし、福島の原発事故に 直面した私たちは、無思慮に電気を賛美する気にはなれません。電気 を使うときの重要なキーワードは、低エネルギー化、自然エネルギー 利用です。 ① 発電機 ガスやガソリンなどを燃料とした小型の発電機です。得られる電気 の周波数を整える(ムラをなくす)インバーター発電機なら、電灯 などはもちろん、パソコンなどの精密機器にも電気を供給できます。 小型の10~20万円前後の発電機では、約1500w(電気ポットと パソコンと照明、ラジオ程度がまかなえる)の電気が得られます。 ② 太陽光発電 太陽電池を利用し、太陽光のエネルギーを直接的に電力に変換する 発電方式です。発電用のパネルを屋根に設置する一般的な方式にお いて、家庭で消費するほぼすべての電力を得るには、3.5kwのシ ステムで約250万円かかるといわれます。しかし、小規模に取り 入れられる独立蓄電型太陽電池もあり、15~20万円程度で導入で き、100~1000kwほどの電 気が得られます。安定した電 気が必要な、冷蔵庫などの電 源としては向きませんが、パ ソコンや照明などなら、平時 でも利用できます。 ③ 自動車を利用する 自動車のシガーライターから 出ている12V電源を、家庭用 の100Vに変換できるAC-DC コンバーターがあります。価 格は1~3万円。災害用に用 意しておくと安心です。 水道が止まったら ……④ 雨水利用 ③④ ② ⑧ ⑬ ⑪ ① 水道は復旧に時間がかかり、災害時は飲料 水についてはペットボトルの水や給水車な どに頼ることになります。平時から備蓄し ておくことが大事ですが、雨水や川の水を 浄化するアイテムもあります。 →詳細は P.86「災害対策グッズ」 東京の年間降水量は約 1,500㎜と言われ ています。この雨水を、雨樋などを通じ てタンクに溜め、庭の水やり、トイレの 洗浄水など、飲み水以外の用途に広く利 用できます。汚れを沈殿させ、上澄みの きれいな部分を取り出す2槽式の雨水タ ンクを使えば、にごりもほとんどなくな 家を建てる際に導入すれば、タンクを地 下に埋めて施工することもでき、太陽光 発電を利用したポンプを使って蛇口から 普通に流すことも可能です。 ●井戸:井戸水は水質によって飲料水に できる場合もあります。年間を通して温 度もほぼ一定なので、夏は冷たく、冬温 り、洗濯や食器洗いにも利用できます。かい水を使えるのも魅力です。

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