住宅雑誌「チルチンびと」86号掲載 設計 田中敏溥
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53ともに登山という趣味をおもちで、生活スタイルが明快。構成をまとめやすかったですね」と振り返る。敷地は東西に長い旗竿敷地。南北面は隣家が迫るため、主室は空き地に面して見晴らしのよい東側2階に。サッシを引き込めば庭木の緑と青空が、テラスからダイニングに飛び込んでくる。「竣工して祖父を招いたら、足がよくないのにわざわざ自分でテラスに出て、ずっとそこで佇んでいるんです。ああ、いい家なんだなあ、と実感しました」とご主人。 田中さんが熟考したのが薪ストーブの位置。「今回は大きなクッキングストーブ。冬は暮らしの主役であっても、存在感のある黒い鉄の塊なので、夏場は目立たせたくない。テレビと薪ストーブの関係はいつも悩まされるところです」。そこでシンクとテレビ台を背中合わせに上:すべての窓には障子を入れている。天井は田中さんが以前設計した住宅を見て、同じ仕上げを希望。 左下2点:赤いソファまわりがリビング、その奥には和室が。テレビ台を挟んでキッチンがある。薪ストーブを必要以上に目立たせず、かつ眺めやすい配置に。

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